今回は要らなくなったルアーロッドを使ってフカセ釣りで使う柄杓を自作します!
まずはブランクの処理
ガイドとスレッドを取り払う
今回は2ピースのルアーロッドのティップ側を使用します。
ガイドやスレッドが要らないので、ライターで炙ってペンチで取ってしまいます。
ロッドのグリップ側を使用したい場合はグリップも剥がさないといけないので結構面倒です。
スレッドやエポキシはカッター等で剥がしていき、剥がれにくかったらライターで軽く炙り、こそぎ落とします。
スレッドの部分の跡が気になる場合は、軽くペーパーを掛けてブランク全体を塗装するのがオススメ。
ミッチャクロン等のプライマー→お好みの色→クリアトップコートでいいと思います。
柄杓用のブランク(シャフト)は単体でも販売されているので、それを使って好みの杓を自作するのも良いですね!
ブランクの使用する部分を考えておく
この段階でブランクのどの辺りを使用するかざっくり見ておきます。
市販のグリップを使用する場合、差し込む穴径が8mm〜10mm程度の物が多いので、それより大きい径のブランクを差し込む場合、グリップ側の穴を拡大する必要があるので面倒です。
なので、出来ればブランクの太さ8mmくらいの箇所でカットして、そこをグリップ側に差し込むと楽に組み立てられると思います。
今回はブランクの根本の太さが9.6mmだったので、自作のグリップ側には10mmの穴を開けたいと思います。
カップはベルモントのカップを使います。今回使用するカップの穴径が6.3mmなので、カップ側のブランク径はそれ以下でなければいけません。
細い分にはPEラインを巻いて太さをかさ増しして調整できますが、あまりに細すぎるとカップの根本で折れてしまうかもしれないので、カップの穴径マイナス1mm〜0.5mmくらいが良い気がします。
グリップの作成
木から自作しても良いし、市販品もある
今回はケヤキの棒材を使って好みのグリップに仕上げてみます。
グリップは市販品も売っています。市販品は穴も空いているので、差し込みたいブランクの太さをPEを巻くなどして調整し、スポッと差し込んで接着するだけで完成です。
市販品を自分で削って好みの形にするのも有りですね。
今回は旋盤を使用して好みの形に整えました。
シャフトを入れる穴は10mmドリルで5cmの深さにしました。
ブランクの長さを調整
仮組みして長さを見ながら調節
仮組みの時はシールテープを巻いてキツキツにして差し込むと振っても取れません。
ちょっと長かったのでブランクの先端をカット。カップを足した長さで問題ないか確認します。
仮組み。
今回はグリップの尻部分からカップの先端まで、全長760mmにしてみました。
カップはベルモントの「MP-136カラーエンボスチタンカップ深型 M」を使用しました。
通常のMより深さがあるので、コマセが丸くなりよく飛びます。チヌにもグレにもオススメのカップです!
接着
部品が全部揃ったので接着します。
接着は2液性のエポキシ樹脂系接着剤を使用します。
グリップの接着ですが、グリップの穴10mmに対してブランクはテーパーになっているのでガタツキがあります。そのためスペーサーテープ等を巻いてガタツキがなく入る程度に太さを調整してから接着します。
これをやらないとグリップに対してシャフトが真っ直ぐになりません。スペーサーテープでなくてもマスキングテープとかシールテープでもいいかもしれませんね。
グリップは接着してしまうと取れなくなってしまうので、メンテナンスの為にシャフトを抜けるようにしたいのなら、グリップを仮組みした状態で横からドリルで穴を開け、ボルト・ナットで固定する方法があります。ボルト・ナットのヘッドが埋没する形になるように、グリップの穴両側はヘッドより少し大きめのサイズにザグっておく必要があります。
カップ側の接着ですが、まずブランクにカップの穴の深さ分(長さ分)、1号以下の細めのPEラインを巻いて穴キツキツになるように調整します。ある程度高さのムラが無く巻けていればキチンとした平行巻きでなくても大丈夫です。
PEを巻く部分を分かりやすくする為にマスキングテープを貼っておくと便利です。
差し込む時の適切な感触としては、ねじりながらギュッと押し込んでいくと入っていくくらいが適切です。ここでスッと入るようならPEをもう少し巻いたほうが良いでしょう。接着剤をつけるとはいえ、それではいつか取れてしまいます。
接着剤の量ですが、PEを多めに巻いたのなら結構ガッツリ付けたほうが良いです。巻いたPE内部にまで接着剤が入り、PE同士も接着されてカップのすっぽ抜けを防ぎます。ネジって入れてる時に接着剤が溢れてくるくらいでいいです。
逆にPEを殆ど巻いてなくてシャフトが透けて見えてるレベルなら、筆でサッと塗る程度にしておかないと、炙ってカップを外す時に苦労します。
ちなみに、PEラインを巻くとカップを取り外す時にもメリットがあります。
カップを取り外す時はライター等で軽く炙って取り外すのが簡単な方法ですが、ちょっとでも炙りすぎるとブランクまで焦げてしまったりして結構リスキーです。
そこでPEラインを巻いていると、炙った時にPEラインから溶けていってくれるので、ブランクが焦げてしまうリスクが減ります。PEが溶けた時点でカップはスコンと抜けるので、ブランク(シャフト)は無傷で取り外せます。
完成!
折れちゃったロッドもこうやって柄杓にしてやれば、自分好みの杓も出来て作って遊べて環境にも優しい!カーボンはリサイクル難しいみたいですしね〜。
中古釣り具を漁っているとジャンク品の竿なんかがかなり安くありますから、好みの硬さのブランクを見つけたらそれを使って自作するのも面白いですね!