海野徹也先生の「クロダイの生物学とチヌの釣魚学」が全てのチヌ釣り師にオススメ!

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釣り読書
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海野徹也先生の「クロダイの生物学とチヌの釣魚学」という本を紹介します。クロダイ(チヌ)について「研究者」「釣り人」という2つの目線から書かれているこの本は、全てのチヌを釣る人へオススメしたい本です。

私が海野徹也先生というクロダイを研究している人がいると知ったのは、チヌ釣りの名手、大知昭さんとフカセ釣りで共演されている動画を見て知ったのが初めてだったと思います。

2017年くらいのその動画では、周防大島エリアで寒チヌ釣りをしていました。

動画の中で海野先生は、越冬時の群れが居るであろう水深や、浅場でのチヌの体色等、釣り人目線のみならず研究者目線でもチヌの生態に言及されていました。

私はその時、「研究者の言うことなんだから、これはとんでもなく参考になるぞ!」と感じたのを覚えています。

私はチヌ釣りを始めた時から「チヌはどこにいるのか?」と常に考え続けてきたんですが、実釣だけのアプローチでは限界があり、必然的に生態についてYoutubeで動画を見るなり、論文を検索して読んで勉強するようになりました。

しかしwebや動画での情報は断片的で、又釣り人目線で語られることも多く、「それってエビデンスあるの?」と思うことも多々ありました。

そんな風に調べていく中で、海野先生が執筆されたこの本を当時読んだ時「チヌについて調べ始めるならwebや動画よりも、まずはこの一冊だな!と思ったのを覚えています。

知っている人からすれば既知である事も多い内容なんですが、逆に言えば基本的な事から学べます。

例えば“チヌは性転換をする魚である”という事から始まり、チヌは色が認識できるのか?視力はいくつか?ハリスは見えているのか?等、釣り人として絶対に興味を惹かれる内容が書かれています。

しかし、1つ注意しなければならない事が、この本は2010年発行の本であるという事です。

私のような素人がこういうのは正しいか分かりませんが、やはり常識というものは変化し続ける物だと思うので、チヌについての常識というのも変化していくと思うんですよね。

研究や実験によって新しいことが分かった時、過去の情報や常識と違うじゃないか!なんて日常茶飯事な訳ですから、そこは踏まえておく必要があるかなと、個人的には思っています。

さて、どうでもいい私事をつらつらと書いていまいましたが、本の内容で特に面白いなと感じた事を1つ紹介します。

「63.5cmのチヌは16歳」

チヌの年齢の査定方法からこの本には書かれていて、それはウロコの隆起線の数を数えるという方法です。

隆起線は1年に1本形成されていくとされており、これを拡大鏡等を用いて確認すれば年齢が推定できるという事です。

本の中で海野先生は、広島県三原市で釣り上げられた63.5cmのチヌを調べた所、そのチヌは16歳だったそうです。

これを読んだ時に私は「あれ、若いな?」と思いました。

チヌは20年以上生きる事もあると聞いたことがあったので、瀬戸内の年無しなんて何十年も生きた痩せ細った年寄りチヌしか居ないんだろうと思っていました。

実際、瀬戸内で私が釣った年無し達は痩せている個体が多かったですし、重いだけで全然引かないんですよね。

逆に四国西南部や山陰中海等のチヌはパンパンに丸っこい個体がよく釣れます。これもこの本に書いてあります。栄養価の高い餌の豊富さと、瀬戸内のように冬場に水温が10℃前後まで下がったりしないので、餌を一年中食べ続けられる事ができ、それが瀬戸内との差になっているのだと考えられているようです。

さて、面白かった話の1つを紹介しましたが、他にも韓国式チヌ料理の話しや回遊行動の話など、色々面白い事が書かれている本です。

海野先生自身が釣り人という事もあり、「釣り人」「研究者」という2つの要素がいい感じに融合された面白い本です。

もし周りにチヌ釣りを本格的に始めた人が居たら、チヌを知る上で是非この本も読んでもらいたい!とオススメできる本ですね。