N65LB-GS・W【スペック】

2025年4月、ダイワのイカメタルロッドシリーズ「エメラルダスMXイカメタル」に追加されたモデル「N65LB-GS・W」
6フィート5インチ(1.96m)のグラスソリッドティップが特徴の、乗せ調子(TYPE-N)のイカメタルロッドです。
店頭販売価格は2万円台後半くらい。
モデル | 全長 | 継数 | 仕舞寸法 | 標準自重 | 先径/元径 | 対応エギサイズ | 適合ライン PE |
N65LB-GS・W | 1.96m | 2 | 103cm | 81g | 0.7mm/8.9mm | 8~30号 30~115g | 0.4~1号 |
実際に使用、こんなロッドでした【結論】

グラスティップは繊細なアタリも大きく表現してくれる、目感度でアタリをとっていくアングラーには最高のロッドです。
N65LB-GSのティップカラーは黄色一色で、ガイドコーティング部分が赤色になっています。個人的にはかなり見やすかったですが、シマノのウキウキトップのような配色と比べてどうなのかは未検証。
乗せ調子との事ですが、バッドパワーはしっかりと残してあって、悪くないレベルのレスポンスでリグをアクションさせられる&アタリを掛けられる調子に仕上がっていました。
対応オモリの号数が30号までとなっていますが、個人的には、常識的な範囲でなら50号をしゃくっても問題ないかなと感じるレベルでした。対応号数以上の負荷をかけて破損した場合は自己責任ですので、オススメはしません。自己責任でどうぞ。
このN65LB-GSはハイレベルにまとまった目感度重視のロッドで、長さも調子も非常に使いやすく、初心者から上級者までガッツリ使い込める本当にオススメのロッドです。
ガイドはストレート、スパイラルガイドではない

N65LB-GSはストレートなガイド配置になっています。
スパイラルガイドの利点はいくつかあります。
- PEラインのライントラブルが軽減される
- ロッドが曲がったときラインがブランクスに接触しない
- 高負荷がかかった時に、ロッドが捻じれない
しかし実際に使用してみて、ストレートでもまったく問題ないなと思いました。
理想を言えばスパイラルなのかな?とも思いますが、たぶん私では違いが分からないです・・・。
まず穂先絡みに関してですが、これはその人のしゃくり方などの癖もあるので、スパイラルにすることによって絡みにくくなるのならば、それはメリットしかない事なので、スパイラルガイドのほうが良いでしょう。私はそういう穂先絡みなどはまったくといっていいほどしないので分かりません。
あとロッドが曲がったときにラインがブランクスに干渉するんですが、それでラインに傷がついて切れるかと言われれば全然そんな事はないです。
掛調子の張のあるロッドで、大剣トリプルヒット!とかいう高負荷の状況なら、ラインがブランクスに接触している事によって捻じれが生じるのかもな~と思いますが、普通にイカメタルをしていてブランクスの捻じれが気になるほどの負荷なんてかかりませんし、負荷をしっかりと吸収してくれる柔軟性のあるブランクスとバランスになっているので、まったく気になりません。というか分かりません。
正直スパイラルガイドに関して、私はあまり違いがよく分かっておらず、スパインがあるにも関わらずスパイラルになっていた場合、ブランクスの性能を最大限引き出せるのか?という、ロッド製作者等からは低レベルと言われるかもしれないような疑問も・・・正直よくわかっていません。ふんわりと、こうではないかな?と思っている理屈はありますが、実釣で違いを感じたことがあるというほど経験値が高くないので、分からないというのが正直な所です。
まあ、そのレベルの私みたいな初心者中級者は特に気にしなくても大丈夫!とも言えますね。
グラストップは縦方向のアタリしか出ないのか?感度とは何か

釣りをしていると、どのような釣りでも”感度”という単語を聞くことになると思いますが、イカメタルにおいてグラスティップの感度と言うのは、いわゆる目感度の事で、目で見てアタリが超わかりやすいよ!って事です。
しかしイカメタルをやっていると、イカのアタリというのは様々なバリエーションがあることに気づくはず。
単純にティップを引き込むアタリもあれば、波のリズム、船の上下のリズムの中で、一瞬ティップのリズムがおかしく感じた時がアタリ・・・なんてこともよくあります。
それらの感度に関しては、グラスティップでベタっとティップが枝垂れていたとしても、しっかりと目で見て分かります。逆にこれらのアタリはカーボンのソリッドティップより、アタリが大きく出て分かりやすいです。
では、イカが出す本当に微妙なアタリ・・・というか、違和感ともいえる、アタリとも言えないような、イカがエギやドロッパーの周りにいて、餌木を触っているのかどうかわからないけれど・・・絶対にエギの周りに居る!と確信できるティップの違和感・・・これらについて何度か検証してみました。
まず、こういったイカの存在感を知るティップの違和感を感じることは非常に重要です。
レンジが頻繁に変わるツツイカ系特有のバーティカルな釣りにおいて、イカがどのレンジにいるのか探ることは非常に重要。
底から上まで探っている中で、活性が渋い時などは、「なんかここ怪しい・・・」という違和感を頼りに、その水深をしつこく攻めるという攻略が必要になる場合も多いです。
しゃくっている時や巻き上げている時に感じる”水の重さ”の変化も、イカがいるレンジの重要な手がかりですが、それら以外にティップに伝わる違和感で怪しい水深を判断できる場合もあります。
では「なんかここ怪しいな?」と感じる違和感とはどのようにティップに現れるのか?
これは本当に微細な変化です。
固めのカーボンソリッドティップの場合、ティップが震えるような状態になることもあります。一方グラスのティップでは、何度か検証した限りでは、このティップが震えるようなアタリはまだ確認できていませんが、明らかに同種の違和感をティップで感じることはできました。
このティップの違和感を文章化する事は非常に難しいので、なんとも伝わるように書けないのがもどかしいですが・・・シチュエーションとして多いのは、エギと同じようなサイズの小さいスルメが無数にいるような状況で、このような違和感が出やすいという経験があります。
N65LB-GSの購入の際に、「あの違和感を感じられなくなったらどうしよう」と少し心配していましたが、杞憂でした。
カーボンソリッドとは違った違和感の出方ですが、グラスでも同種の違和感を感じることができます。
対応号数が30号までだが・・・?

個人的には、少しキツイ感じがしますが、50号を吊るしても問題ないなと感じました。
ただ、極端にハードなしゃくり方や、急激にブランクスに負荷を掛けるようなしゃくりや大アワセはしてないので、この辺りの加減が分からない人は、上限30号を遵守したほうが安全です。
60号は結構キツイ感じがするので、極端な大アワセなどすると怖いなと感じましたが、スローなしゃくり&ショートなアワセなら使用できるなと思いました。
基本的な話ですが、対応号数というのはメーカーが安全マージンを設けて設定しているものなので、ある程度やりこんだアングラーなら、自身の判断でブランクスの限界と使用オモリの美味しいところは判断できるでしょ?というのが、私の考え方です。
そしてロッドには、キャストするにしても吊るしてしゃくるにしても、一番その竿が輝けるというか、美味しい重さというのが存在します。
N65LB-GSは、25号~40号の範囲ではブランクスが無理をしている感じもなく、ティップ・ベリーの枝垂れ具合も入りすぎることもなく快適に使えると感じました。
当然ロッドの角度というものも釣り人次第という所もありますので、水平に構えるか斜め下に構えるか、そのあたりでティップ・ベリーに掛かる負荷が変わる為に、曲がりの頂点というのも変わってきます。
万人が私が感じたように感じるかと言えばそうではないでしょうけど、多くの人も同じように、40号くらいまでなら平気平気!と感じる人が多いのではないかなと思います。
乗せ調子とは胴まで曲がることか?理想の乗せ調子とは

掛調子のロッドではないので、アクションやアワセに対するレスポンスこそ掛調子のロッドに劣るものの、バッドから中間までしっかりと強さを残しつつ、柔軟に曲がるブランクスです。
掛調子よりは乗せ調子なのは確かですが、胴に入りすぎないので操作性をそこまで犠牲にしていない、操作性にもしっかりと配慮されたバランスで設計されたロッドだと思いました。
乗せ調子と聞くと、胴まで曲がる”柔”なイメージを持つ人もいると思いますが、イカメタルというものは仕掛けをアクションさせて掛けていくのが重要な釣りなので、極端なまでの乗せ調子というのはイカメタルロッドとしては尖りすぎています。
本当の胴まで入って粘るロッドというのは、イカメタルにおいては、釣趣のみを追求している変態アングラーのみが楽しめる物であって、極端な”柔”なロッドは実釣性能において、アワセやアクションに優位な要素を捨てる事になります。
では、イカメタルにおいて理想の”乗せ調子”とは?
これは非常に難しい問題だと思います。
なぜならば、使用するオモリや潮流の速さ、そして釣り人のロッドの構え方などによって曲がりの頂点がどこかというのが変わってしまうし、またそのエリアの特性や、イカのサイズ・状態・船の揺れ具合にもよるからです。
「だいたいこのくらいの号数までなら、ティップよりちょい手前くらいまでがスムーズに入ってイカに違和感を与えない感じだよな~」みたいな、漠然とした不明瞭なロッドの明確にしたい部分を、実釣テストによって定義付けしなければならないのは非常に難しい作業です。
これは経験値が物を言う世界になってくるので、この辺りは私は判断できません。このロッドが本当に理想の乗せ調子なのか?もっといい調子があるのか?ほかのメーカーのあのロッドと比べてどうなのか?など、正直わかりません。
分かりませんが・・・せいぜい私くらいの初心者~中級者くらいのアングラーなら、このロッドは乗せ調子のロッドでありつつも、イカメタルの実釣性能を損なっていないバランスに仕上げられた、非常に優秀なロッドであると感じられると思います。
まとめ

グラスティップのロッドでイカメタルをしたのは初めてなので、正直な所、この記事はレビューとしては拙いかもしれません。
しかし今まで培ってきたロッドに関する知識と、私のレベルで伝えられる範囲での話で、N65LB-GSについてまとめるとすれば、
「このロッドは、目感度重視のアングラーにめっちゃオススメのロッド!」
と、自信をもってオススメできます。
ハイエンドモデルと違って、値段が4万も5万もしないという所もいいですよね。それでも二万円は超えているので安くはないですが。
山陰をメインとしているアングラーは、30号までの上限に多少不安を覚えるかもしれませんが、ロッドの特性を理解した上で、ちゃんと使用オモリの限界が自身で分かるアングラーならば、山陰エリアでもメインロッドとして十分活躍できるポテンシャルがあると思っています。